2013年10月9日水曜日

「干」:漢字の起源と由来

 中国で古くから「盾」の意味で用いられている漢字に「干」というものがある。この漢字は感覚的にはおよそ盾には似つかわしくないもので、盾というより、日本で使われた武器を当てはめてみるとむしろ「サスマタ」と言った方がしっくりくる。しかし「所変われば品変わる」のことわざ通り、唐漢氏によれば、これは盾といえども、そもそもはまさしくサスマタのような使い方をしていたもので、中国ではこれが発展し盾となったという。
引用 「汉字密码」(P584,唐汉,学林出版社)

「干」は中国では最も原始的な武器

 木の叉の「Y」字の表示で横1画が加えられている指示符号に用いられて木の叉の所在を表示し、一種の狩猟、格闘の武器を示している。

 又のある木の盾はすなわち最も早い原始的な武器である。両又の先端部分を鋭く削り、獣を捕らえ狩をしたり、格闘時に刺し殺すのに用いられた。「干」を用いて人と人の間では殺し合いや格闘時に用いるときは、上部の又の尖っている部分は突き刺すのに用いられ、分かれた両又は攻撃を阻止するのにも用いられた。中でもこれは戈の啄みを防ぐのに用いられ、戈の頭がたたき下されたとき、ただ「干」を上に上げ、矛の振り下ろしを解消した。これは中華民族の盾牌の最も早い原型である。

 盾と戈の配備と組み合わせは華夏民族独特の単兵兵器の組み合わせであり、成語の「大動干戈」(戦争を起こすの意)はここから来ている。


中華の戦闘の形式は中原に「夷」が出現することで劇的に変化した

 一群の背の低い戦士が、弓矢を背負い、片方の手には戈を持ちもう片方には干(盾)を持って、中原の大地に出現したそのときから、そこでは一幕の残酷な戦争の悲劇が上演された。草むらの中から、大樹の後ろから不意に鋭い矢が飛び出してきた。その後は都合よいように使われ、矛で叩ききり、「干」で防いで、右往左往し、血は飛び散り、肉は飛び、サルよりもすばやい戦士が、とびはね跳躍し命がけで戦闘し、絶えず横になり身を伏せる人がいる。そうして、生きた人は死人の耳を切り落とした。


説文の解釈

 「干」:説文では干を解釈して「犯」とした。干を指し「犯」とし、犯を冒すこれがすなわち干の攻撃の意味である。これは一意的に同音の言葉があり、「妨害、責任、かかわり」等。防護の意味から古代では干は常に盾を意味した。
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